イギリスのグレード試験について

イギリスで行われている音楽グレードの試験には何種類かありますが、クラシックで最もポピュラーなものはTrinity英国王立音楽検定 (Associated Board of the Royal Schools of Music、以下ABRSM)の2つです。両方それぞれ、年間世界の様々な国で60万人以上の受験者がいる大規模なものです。当教室では、ABRSMの受験者が多いですが、ギター等、楽器によってはTrinityを受験する方もいらっしゃいます。

・英国王立音楽検定 (ABRSM) について

2020年の秋に、新型コロナウイルス感染症の影響もあって、リモートによる試験が取り入れられて以来、現在2つの試験方法、従来の対面試験によるプラクティカル・グレード (practical grade) と、リモートによる試験によるパフォーマンス・グレード (performance grade) があります。試験内容に違いがありますが、どちらも同じレベルに相当し、得られる資格に違いはありません。

どちらのグレードも1から順に受けなければいけないわけではなく、どのグレードからでも受けることができます(つまり飛び級が可能)が、ただし、6以上のグレードを受験するためにはセオリーの5以上をパスしている事が条件になります。

・プラクティカル・グレード Practical Grade (対面による試験)

プラクティカル・グレードの試験内容は次の4つです。

1. 課題曲3曲 (1曲30点、計90点):3つの時代様式の違いによって分けられた指定曲より一曲づつ選んで演奏します。
2. スケールとアルペジオ (21点)
3. 初見 (21点)
4. オーラル (18点)

合計:150点

・パフォーマンス・グレード Performance Grade (リモートによる試験)

パフォーマンス・グレードとは、ビデオ審査によって行われます。パフォーマンス・グレードでは、従来のプラクティカル・グレード(対面の試験)で行われていたスケール、サイトリーディング、オーラルはありません。その代わりに曲を3曲ではなく4曲を通して演奏します。ビデオ撮影は自宅にてご自身にて行っていただけます。

4曲(各30点)の演奏に加えて、パフォーマンスの全体的な評価(30点)の合計150点にて審査されます。

以下のビデオはパフォーマンスグレードのビデオの撮影方法、及び試験の流れですので、ご参考ください。