オーラルテスト内容(英国王立音楽検定/ABRSM)

英国王立音楽検定(ABRSM)のオーラルテストで一体どのような事が行われているのかを書き出してみました。各楽器ともに共通の内容です。

グレード1

A. 試験官の弾く音楽に合わせて手をたたきます。音楽が二拍子か三拍子かを問われます。
B. 試験官の弾く3つのフレーズに対してそれぞれ歌い返します。
C. メジャーキーのあるフレーズを2度弾きます。二度目はピッチが違っていて、それが初め付近か、終り付近か、何処で起こったのかを答えます。
D. 試験官がある曲を弾いて、2つの質問をします。最初の質問は強弱について。2つ目の質問はアーティキュレーションに関するものです。

グレード2

A. 試験官の弾く音楽に合わせて手をたたきます。音楽が二拍子か三拍子かを問われます。複合拍子を含みます。
B. 試験官の弾く3つのフレーズに対してそれぞれ歌い返します。グレード1よりも音域が増加します。
C. メジャーキーのあるフレーズを2度弾きますが、二度目はどこかでピッチかリズムのどちらが違っていて、何処で違ったのかを答えます。
D. 試験官がある曲を弾いて、2つの質問をします。最初の質問は強弱、あるいはアーティキュレーションに関するもの。2つ目の質問はテンポについてです。

グレード3

A. 試験官の弾く音楽に合わせて手をたたきます。音楽が二拍子、三拍子、四拍子かを問われます。2と同様に複合拍子を含みます。
B. 試験官の弾く3つのフレーズに対してそれぞれ歌い返します。グレード2よりもさらに音域が増加します。
C. メジャー/マイナーキーのあるフレーズを2度弾きますが、二度目はどこかでピッチかリズムのどちらか違っていて、どのように違ったのかを答えます。
D. 試験官がある曲を弾いて、2つの質問をします。最初の質問は強弱、アーティキュレーション、テンポのいずれかに関するもの。2つ目の質問はトーナリティーについてです。

グレード4

A. 試験官がある曲を2度弾く間に覚えて、歌い返します。曲はメジャー/マイナーのどちらかで調号が3つまでのキーから選ばれます。
B. 楽譜に書かれている5つの音を歌います。キーはC、F、Gメジャーの3つのいずれかです。
C. (i)試験官がある曲を演奏して、質問します。最初の質問はダイナミクス、アーティキュレーション、テンポ、トーナリティーのいずれか、2番目の質問はキャラクターに関するものです。
(ii)試験官が、同じ曲からある部分を抜粋し2度弾きます。そのリズムを覚えて手をたたきます。そして、その曲が二拍子、三拍子、四拍子かを答えます。

グレード5

A. 試験官がある曲を2度弾く間に覚えて、歌い返します。曲はメジャー/マイナーのどちらかで調号が3つまでのキーから選ばれます。グレード4よりも長いです。
B. 楽譜に書かれている6つの音を歌います。キーはC、F、Gメジャーの3つのいずれかです。
C. (i)試験官がある曲を演奏して、質問します。最初の質問はダイナミクス、アーティキュレーション、テンポ、トーナリティー、キャラクターに関するいずれか、2番目の質問は様式と時代に関するものです。
(ii)試験官が、同じ曲からある部分を抜粋し2度弾きます。そのリズムを覚えて手をたたきます。そして、その曲が二拍子、三拍子、四拍子かを答えます。

グレード6

A. 試験官が2パートのフレーズを2度弾き、高いパートのフレーズを覚えて歌います。音楽は調号が3つまでのキーから選ばれます。
B. 試験官の伴奏に合わせて、用意されたスコアを見て歌います。音楽は調号が3つまでのキーから選ばれます。
C. 試験官がフレーズを弾きます。フレーズの最後の終止形がperfectかImperfectのどちらかを答えます。
D. (i)試験官がある曲を演奏して、質問します。最初の質問はテクスチュアかストラクチュアに関するもの、二番目の質問は、ダイナミクス、アーティキュレーション、テンポ、トーナリティー、キャラクター、様式、時代、テクスチュア/ストラクチュアに関するいずれか、2番目の質問は様式と時代に関するものです。
(ii)試験官が、同じ曲からある部分を抜粋し2度弾きます。そのリズムを覚えて手をたたきます。そして、その曲が二拍子、三拍子、四拍子かを答えます。

グレード7

A. 試験官が2パートのフレーズを2度弾き、低いパートのフレーズを覚えて歌います。音楽は調号が3つまでのキーから選ばれます。
B. 用意されたスコアを見て歌います。音楽は2パートで下のパートを試験官が弾き、上のパートを歌います。音楽は調号が4つまでのキーから選ばれます。
C. (i)試験官がフレーズを弾きます。フレーズの最後の終止形がperfectかImperfectかinterruptedのいずれであるかを答えます。
(ii) (i)の終止形を構成する2つのコードが何であるかを答えます。
(iii)試験官が、最後に転調があるパッセージを弾きます。パッセージがドミナントか、サブドミナント、平行調(relative minor)のどのキーに転調したのかを答えます。
D. (i)試験官がある曲を演奏して、質問します。質問はダイナミクス、アーティキュレーション、テンポ、トーナリティー、キャラクター、様式と時代、テクスチュア、ストラクチュアのいずれかに関するものです。
(ii)試験官が、同じ曲からある部分を抜粋し2度弾きます。そのリズムを覚えて手をたたきます。そして、その曲が二拍子、三拍子、四拍子かあるいは6/8かを答えます。

グレード8

A. (i)試験官が3パートのフレーズを2度弾き、一番低いパートのフレーズを覚えて歌います。音楽は調号が3つまでのキーから選ばれます。
(ii)メジャー、あるいはマイナーキーのフレーズが試験官によって弾かれます。フレーズ最後の終止形が、perfect、Imperfect、interrupted、plagalの4つの中のいずれであるかを答えます。
(iii)上記の終止形を形成する3つのコードが何か答えます。コードは転回形を含みます。
B. 用意されたスコアを見て歌います。音楽は2パートで、上のパートを試験官が弾き、下のパートを歌います。音楽は調号が4つまでのキーから選ばれます。
C. (i)試験官が、最後に転調があるパッセージを2つ弾きます。最初のものはメジャー、二番目のものはマイナーです。パッセージの最後にドミナントか、サブドミナント、平行調(relative majorかminor)のどのキーに転調したのかを答えます。
D. 試験官の弾く曲の特徴について説明します。特徴とはつまり、ダイナミクス、アーティキュレーション、テンポ、トーナリティー、キャラクター、様式と時代など、グレード7の試験までで学んできたものです。